渋滞する三田ガーデンという名称

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不動産施設の名称にガーデンが使われるケースが多いなと思います。例えば、恵比寿ガーデンプレイス、(個人的には)仕事の関係で訪れることの多い東京スクエアガーデン、ガーデンシティ品川御殿山、あとは最近話題の羽田エアポートガーデンなどがあります。三田三・四丁目再開発複合棟も住友不動産東京三田ガーデンタワーです。そこでガーデンの名がつく施設を調べてみました。もちろんこれら以外にも数多のガーデンがつく不動産施設がありますが、ここでは、東京都内で一定以上の規模のあるものに限定しています。(漏れているものもあるかと思います。)

施設名デベロッパー/プロジェクトマネージャー完成/竣工
広尾ガーデンヒルズ
分譲マンション
住友不動産/三井不動産/三菱地所/第一生命1987年2月
恵比寿ガーデンプレイス
複合施設
サッポロ1994年10月
泉ガーデン
複合施設
住友不動産2002年10月
赤坂ガーデンシティ
オフィスビル
積水ハウス2006年1月
目白ガーデンヒルズ
分譲マンション
住友不動産2006年2月
ガーデンシティ品川御殿山
オフィスビル
積水ハウス2011年2月
住友不動産渋谷ガーデンタワーベルサール渋谷ガーデン
オフィスビル/イベントホール
住友不動産2012年6月
東京スクエアガーデン(京橋)
オフィスビル
東京建物2013年3月
広尾ガーデンフォレスト
分譲マンション
三菱地所/三井不動産2013年7月
日本生命丸ノ内ガーデンタワー
オフィスビル
日本生命2014年7月
新宿ガーデン
複合施設
住友不動産2016年3月
東京ガーデンテラス紀尾井町
複合施設
西武2016年7月
ガーデンヒルズ四ツ谷 迎賓の森
分譲マンション
住友不動産2016年10月
大崎ガーデンシティ
複合施設
住友不動産2018 年 10 月
住友不動産麹町ガーデンタワー
オフィスビル
住友不動産2020年5月
有明ガーデン
複合施設
住友不動産2020年6月
ザ・パークハウス三田ガーデン レジデンス&タワー
分譲マンション
三菱地所2021年10月
Mita S-Garden(旧三田M-SQUARE Garden)
オフィスビル
三井不動産2022年11月
羽田エアポートガーデン
複合施設
住友不動産2023年1月
住友不動産東京三田ガーデンタワー
オフィスビル
住友不動産2023年3月
三田ガーデンヒルズ
分譲マンション
三井不動産/三菱地所2025年3月(予定)
三井ガーデンホテル三井不動産
ガーデンシリーズ
賃貸マンション
NTTビジネスアソシエ
TKPガーデンシティ
貸会議室
ティーケーピー

恵比寿ガーデンプレイスですが、サッポロ不動産開発によれば、『「恵比寿ガーデンプレイス」とは、「庭園都市(GARDEN-CITY)」と「商業都市(MARKET-PLACE)」の融合で、今までにないスタイルの都市を造り出すという意味が込められてい』るそうです。「都市を造り出す」ということであれば、Cityの方を残すべきなんじゃないかと思ったりもしますが、恵比寿ガーデンプレイスの雰囲気が伝わる良い名前なんじゃないかと思ったりもします。

東京スクエアガーデンは、京橋開発特定目的会社等の発表によれば、『東京駅前という立地特性をストレートに表現した 「東京」を冠し、方形の敷地形状や、フロアごとにひさしをもつビル外観の特徴が正方形を積み重ねていることからイメージされ る「スクエア」、緑豊かな低層部を表現した「ガーデン」を組み合わせたものです。立地特性、施設特性を平易な英単語の組み合わせで耳馴染み良くまとめることで、事業コンセプトを分かりやすく表現しました。』とのことですが、どうしてもニューヨークのマジソンスクエアガーデンを思い浮かべてしまいます。もともとマジソンスクエアガーデンは、マジソンスクエアにあるガーデン(アリーナ)だと思うので(Squareには正方形以外にも広場の意味もあります)、ニューヨークから来た人達は、どう思うのかなと思ったりします。(あと、東京駅前だから東京というのも、場所を示すという意味ではどうなのでしょうか。場所に由来して東京って名前をつけるのは、東京タワークラスじゃないといけないじゃないかと。)

東京ガーデンテラス紀尾井町のウェブサイトでは、『ネーミングは、国際都市である「東京」をダイレクトに表現し、かつ、紀尾井町の由来になった紀伊徳川家、尾張徳川家、彦根井伊家が屋敷を構えた由緒ある地域の豊かな自然環境、文化や人々の交流、積み重なった歴史などの立地特性をわかりやすく表現してい』るそうですが、街区全体をガーデンテラスと名づけることが英語圏の人にとってわかりやすいかはちょっと疑問です。

続いてガーデンシティですが、主に積水ハウスが自社で開発したオフィスビルディングに使用しています。(積水ハウスが主導するガーデンシティは、東京以外にも複数存在します。)ただ、シティとつけると英語の意味としては、まちを指すので、オフィスビル一棟をガーデンシティと名づけるのはどうなんだろうと思ったりします。住友不動産の大崎ガーデンシティは、西品川一丁目地区第一種市街地再開発事業の街区全体を指すので、英語の意味にも、ぎりぎり合致するのではと思います。(大崎ガーデンシティの中に住友不動産大崎ガーデンタワーと大崎ガーデンレジデンスがあります。)例えば、ガーデンシティ品川御殿山であれば、御殿山プロジェクトの街区全体をガーデンシティ品川御殿山、赤坂四丁目薬研坂北地区第一種市街地再開発事業の街区全体を赤坂ガーデンシティとする方が、英語圏の人にも、まだ、しっくりくるのではと思います。その意味では、ティーケーピーの貸会議室のブランドにガーデンシティを使うというのは、ちょっと趣旨が分かりません。

不動産に限りませんが、(ある程度大手の企業でさえ)英語で名称をつける際に英語圏の人に意見を聞いたりしないのでしょうか。国際都市東京とか、世界の人々との交流拠点とかいっている割には、英語圏の人が首を傾げるような英語の名称が氾濫しているような気がします。日本人は海外で変な日本語を見つけるとバカにする人が多いんですが、人の振り見て我が振りを直した方が良いのでは、と思ったりします。

ガーデンヒルズについては、調べてみて分かったのですが、三井不動産/三菱地所のブランドという訳ではなく、住友不動産も使っています。大規模マンションとしての最初のガーデンヒルズである広尾ガーデンヒルズは、住友不動産、三井不動産、三菱地所、第一生命保険の4社の共同開発です。その後、2005年に三井不動産/三菱地所が、志木ガーデンヒルズを、住友不動産が、2006年に目白ガーデンヒルズ、2016年にはガーデンヒルズ四ツ谷 迎賓の森を完成させています。現在、三井不動産/三菱地所は、三田ガーデンヒルズを建設中です。一方で、実際には誰でも建物にガーデンヒルズという名をつけることができ、世の中には小規模なガーデンヒルズが多数存在するに至っています。これは不動産は商標登録できないということによるためです。(建物の売買や賃貸借を役務として商標登録を行うことはできるようです。)ガーデンヒルズという英語もマンションの名称として相応しいかどうか、怪しい感じもしますが、そもそもマンションについては、公共性がないので所有者や入居者が気にしないのであれば問題なしとせざるを得ないかと思います。

住友不動産は、ガーデンが大好きなようです。最近の有明ガーデン、羽田エアポートガーデンをはじめ、多数のガーデン、ガーデンタワーと名のつく施設を開発しています。ガーデン、ガーデンタワーという名称については、もう各施設にガーデン感があるかどうかという問題でほぼ主観の話にもなるので、あえてコメントはありません。(建物、施設の名称がガーデンというのは、なんか誤解を招くような気もしますが。)

話がようやく三田に戻ってきます。【速報】三田三・四丁目再開発複合棟の名称決定でも少し触れていますが、そんなガーデンが溢れる状況で、三田でもガーデンが渋滞しています。三菱地所が開発したザ・パークハウス三田ガーデン レジデンス&タワー、三井不動産のMita S-Garden、住友不動産東京三田ガーデンタワー、三井不動産/三菱地所の三田ガーデンヒルズとなかなかの規模のプロジェクトの名称でガーデンがかぶるという、どんだけガーデン好きなんだよッとツッコミたくなるような状況になっています。

さらにですが、三田三・四丁目地区第一種市街地再開発事業には住宅棟も含まれます。住友不動産は、大規模な再開発では、ガーデンタワーとセットで住宅棟にガーデンレジデンスの名称を使っています(例、泉ガーデンレジデンス大崎ガーデンレジデンス)。ということは、三田三・四丁目地区でも全体を三田ガーデンとし、オフィス棟を三田ガーデンタワー、住宅棟を三田ガーデンレジデンスにしたいのではないかと思われます。それを分かって三菱地所があえてザ・パークハウス三田ガーデン レジデンス&タワーと名付けているとしたら、ちょっと意地悪な感じもします。まあ、あくまでも私の妄想なので、全く検討はずれなことをいっている可能性も(けっこう)あります。ですが、妄想はやっぱり楽しいです。

あと、どうでもいい話ですが、住友不動産は自社で開発したオフィスビルの名称に、必ずといっていいほど、住友不動産と入れるんですが、どんな思いで入れているんでしょう。ビル名が長くなって入居者が不便になるだけのような気がするんですが。一度、住友不動産の人に聞いてみたいです。