再開発とホテル

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規模が大きな再開発事業においては、所謂ラグジュアリーホテルを誘致、導入するケースが増えています。海外からの富裕層を呼び込むにあたって、日本はラグジュアリーホテルが足りていないためだそうです。

現在の高輪周辺地域のホテル事情を整理すると以下のようになります。

ホテル住所クラス
ストリングスホテル東京インターコンチネンタル港南二丁目16-1 品川イーストワンタワーラグジュアリー (IHG Hotels & Resorts)
高輪 花香路(グランドプリンスホテル高輪内)高輪三丁目13番1号ラグジュアリー
ザ・プリンス さくらタワー東京高輪三丁目13番1号プレミアム (Marriott Autograph Collection)
グランドプリンスホテル高輪高輪三丁目13番1号ミッドレンジ
グランドプリンスホテル新高輪高輪三丁目13番1号ミッドレンジ
品川プリンスホテル高輪四丁目10番30号ミッドレンジ
京急EXホテル 高輪高輪四丁目10番8号 京急第7ビルエコノミー
品川東武ホテル高輪四丁目7番6号エコノミー
東横INN品川駅高輪口高輪四丁目23番2号エコノミー
都シティ 東京高輪高輪三丁目19番17号エコノミー
アパホテル〈品川 泉岳寺駅前〉高輪二丁目16番30号エコノミー
東急ステイ高輪高輪二丁目16番29号エコノミー
Smile Hotel 品川泉岳寺駅前三田三丁目11番26号エコノミー
ホテルヴィラフォンテーヌグランド東京田町芝浦四丁目2番8号 住友不動産三田ツインビル 東館エコノミー
静鉄ホテルプレジオ 東京田町芝浦三丁目6番18号エコノミー
相鉄フレッサイン 東京田町芝浦三丁目14番21号エコノミー
ホテルグレイスリー田町芝浦三丁目8番1号エコノミー
プルマン 東京田町芝浦三丁目1番21号プレミアム (ACCOR)
シェラトン都ホテル 東京白金台一丁目1番50号プレミアム (Marriott Sheraton)

クラスについて: ラグジュアリー/プレミアムは、各ホテルチェーンのブランドのクラスによります。花香路はForbes Travel Guideの2023年度の格付けリストで五つ星を獲得しているためラグジュアリーとしました。なお、さくらタワー東京は、同格付けで四つ星を獲得しています。バンケットルームやバーを備えない宿泊特化型、いわゆる日本のビジネスホテルは全てエコノミーにしました。ホテルのクラスについては、客観的な基準があるわけでもなく、それぞれのクラスについても結構幅があるかと思います。(なので、異論のある方、ご容赦ください。)

プリンス ホテルズ&リゾーツ ウェブサイトから

品川駅周辺では、ラグジュアリー/プレミアムクラスのホテルは、インターコンチネンタルとさくらタワー東京、花香路の三つとなります。なお、余談ですが、プリンスホテルズ&リゾーツは、ブランドによるクラス分けが分かり難く、ブランディングが上手くない印象が強いです。クラスとしては、ザ・プリンスギャラリー、ザ・プリンス、グランドプリンスホテル、プリンスホテル、プリンス スマート インと五つに分かれているのですが、正直、全部プリンスなので、ブランドの違いが分かりにくいです。

高輪ゲートウェイ駅周辺には、ラグジュアリー/プレミアムクラスのホテルはなく、プルマン 東京田町が田町駅に、少し離れますが、白金台にシェラトン都ホテルがあります。なお、各ホテルの室数は、以下の通りです。

ストリングスホテル東京インターコンチネンタル203室
高輪 花香路16室
ザ・プリンス さくらタワー東京288室
プルマン 東京田町143室
シェラトン都ホテル 東京471室
合計1121室

こうしてみると確かに、ラグジュアリーホテルは足りていないのかもしれません。少なくとも高輪ゲートウェイ駅周辺には、もう少しあっても良いのではと思います。

現時点で、高輪周辺再開発事業で、宿泊施設の開設が予定されているのは、以下の五つです。

高輪ゲートウェイシティには、JW MARRIOTTが進出することが決まっていますが、残りの四つについては、ホテルのブランドを含め何も情報が出てきていません。

西口地区A地区は、シナガワグースの跡地で京急電鉄とトヨタ自動車が進めるプロジェクトなので、京急としては、自分たちで手がけたいのではないかと思いますが、一方で京急のブランドであるEXでラグジュアリーホテルを運営するのは難しいのではと思います。必ずしも海外のホテルブランドを誘致する必要はないとは思うので、独自でブランドを立ち上げるのも「あり」ではないかと思います。個人的には、改めて、ホテルパシフィックをラグジュアリーブランドとして立ち上げるというのも面白いのではと思います。

品川駅北周辺地区第⼀種市街地再開発事業は、高輪ゲートウェイシティ複合棟 Ⅰ と国道15号線の間の南北に細長いエリアの再開発で、事業協力者としてJR東日本、日鉄興和不動産が参加しています。必ずしも事業協力者運営のホテルでなければならないということではないかと思いますが、それでもこの二社のうちいずれかが、ホテルの運営を担う可能性は大きいと思います。

JR東日本としては、ゲートウェイシティのホテルの運営は Marriottに譲る形になりましたので、こちらは自社ブランドのホテルとしたいのではと思われます。JR東日本は、ラグジュアリー/プレミアムクラスのホテルとして、東京ステーションホテルForbes Travel Guideの2023年度の格付けリストで四つ星)、メズム東京Marriott Autograph Collection)を展開しています。この二つと同等クラスのホテルが開業すると嬉しいのですが。

事業協力者のもう一方、日鉄興和不動産は、「& Here」というブランドでレジデンシャルホテルの開発・運営事業に参入しています。こちらも新規での開業場所を探しているかと思いますので、当該事業は当然候補となるのではと思われますが、個人的には、前述の通りラグジュアリー/プレミアムクラスのホテルが希望です。

東工大、東大のキャンパスの土地有効活用については、ラグジュアリーホテルは期待できないのではないかと思います。

また、まだ計画は発表されていませんが、森トラストによる品川・三田エリアでの大規模再開発にも期待したいと思います。森トラストは、東京エディション虎ノ門コンラッド東京と誘致に成功しています。あと、品川駅北口駅ビルについても、宿泊施設の計画はないのですが、個人的にはホテルの方がいいんじゃないかと思います。品川駅にJRのホテルがないのは勿体無い気がします。

何れにしても、ホテルについても今後の展開が楽しみです。