再開発と神社仏閣

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高輪、三田は、神社仏閣が多い地域です。港区が策定した三田・高輪地区まちづくりガイドラインの対象とする地域(三田三、四丁目、高輪一、二、三丁目)では、22を数えます。そのため、この地域のまちづくりは、寺社と共存することを前提とするべきだと考えます。前出の三田・高輪地区まちづくりガイドラインでも、「寺社周辺の街並み形成を推進、寺社周辺の道路等ではその街並みに合わせた整備を推進することで、歴史的な雰囲気をより一層広げていく」としています。

国道15号線沿道にも、南から、高山稲荷神社、東禅寺、高輪神社、正覚寺、(車町)稲荷神社、泉岳寺、願生時、道往寺、成覚寺、御田八幡神社があります。

高山稲荷は15号線の拡幅のため、既に移転が決まっています。泉岳寺と車町稲荷については、泉岳寺周辺地区市街地再開発が(いろいろと課題が多く、なかなか進みそうにないですが)、検討されています。それ以外の寺社については、現時点で、その周辺も含め、再開発の対象地域となっている訳ではありません。

ですが、将来的には15号線沿道の西側も、再開発が進む可能性が高いと思われます。その際には、是非とも寺社の周辺に空間をとってもらいたいと思います。現在、15号沿いのいくつかの寺社では、15号から入り、三門(山門)、あるいは、鳥居に至る参道の両側にビルが迫り、参道が狭く暗くなっています。また、ビルに囲まれ、谷間のようになっていたりします。再開発においては、参道の脇に広場を設けるなどして、明るく開けた場所としていただければと思います。

少し事情は異なりますが、日本橋室町東地区開発における福徳神社などは、まちづくりにおいて、こういった神社の活用方法があるんだと感心させられる例です。スイスで大手資本が古い時計ブランドを買い取り、その名を使い、再興と称してブランドを立ち上げるのと同じ手法ような気もしますが、時計を買う人たちはそんな裏話は気にしません。ましてやこちらは神社です。再建に至る道筋がどうであろうとありがたさが変わるわけありません。

福徳神社と同じような開発を望む訳ではありませんが、参考にはなるかと思います。元来、寺社、特に神社は人が集まるパワースポットなので町のシンボルとしてうまく活用できればと思います。

ところで、話は少し変わりますが、東禅寺と泉岳寺のお庭はとても良さそうなのですが、残念ながら、両寺ともお庭は非公開としています。拝観料を取ることで公開していただくわけにはいかないでしょうか。関係者の方々、是非ともご検討下さい。